発作性⼼房細動の“兆候”の検出技術を新医療機器として承認申請しました
◇発作のない⼼電図から⼼房細動の兆候を検出:不整脈をAIでリスク評価する医療の実現へ
弊社は、正常な⼼電図波形から代表的な不整脈である⼼房細動の“兆候”を検出するAI医療機器(以下、本品)を開発し、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき、医療機器製造販売承認申請を致しました。本品はプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)です。承認取得後、当社の新サービスとして全国の医療機関において展開する予定です。
◆本品の特徴と既存製品との違い
弊社は2022年4⽉より、⻑時間測定した⼼電図データから実際に⼼房細動の発作が起きている波形を⾃動検出するプログラム医療機器『⻑時間⼼電図解析ソフトウェア SmartRobin AI シリーズ*』を製造販売しています。
この度承認申請した本品は、発作が起きていない正常の⼼電図波形から⼼房細動の“兆候”を検出するAIを新たに実装しており、⼼房細動の発作を起こす可能性がある患者さんのスクリーニングに役⽴つことが期待されます。本品の性能については、多施設共同の医師主導治験で性能評価されており、欧州⼼臓学会議(ESC2023)で結果を発表いたしました。
*医療機器認証番号:302AHBZX00026Z00、販売名:⻑時間⼼電図解析ソフトウェア SmartRobin AIシリーズ
◆本品の臨床的意義
⼼房細動は⼼臓上部の⼼房と呼ばれる部分が痙攣し、脈が不規則になる最も頻度の多い不整脈の⼀種です。⼼房細動は脳卒中や⼼不全の原因となるため、⼼房細動の早期診断・治療は重要です。
⼼房細動の評価は発作が起きているときに確認しなければならず、健康診断などで⾏う短時間の⼼電図検査では捉えることは難しいため、多くの未発⾒患者がいると⾔われています。本品は5分間の正常時の⼼電図データがあれば、この⼼房細動の兆候を検出することが可能なため、患者さんの早期発⾒により脳卒中や⼼不全の予防が可能になります。
◆今後の展望
本品がAI医療機器として社会実装されれば、この⼼房細動の早期診断・治療に繋がり、ひいては脳卒中や⼼不全の発症予防に繋がります。また、早期発⾒により患者さんの障害や寝たきりを予防するだけではく、医療費の削減など医療経済効果にも良い影響をもたらすと期待できます。
弊社は、今後もAIを活⽤した⾰新的な技術・製品開発に取り組むことで、医療従事者や患者さん、医療経済に⾄るまで、あらゆる視点から医療に⾰新・変⾰をもたらして参りたいと考えています。